みんなでワイワイしていると、ふと寂しくなる時がある。
ついさっきまで楽しかった輪からふいに切り離され、フィルターがかかったようにその場に現実感がなくなり、独りポツンと取り残される瞬間。
自分独りが全く別次元からみんなが楽しそうにしている場を覗いているような感覚。
それがどんな集団だろうとどんなに楽しかろうと必ずそういう瞬間が訪れて、その楽しい場が、自分にはそぐわない遥かに遠いものとして、憧れのような困惑のような気持ちと一緒に、違和感として感じられる。
自分がひどく不似合いな者として感じられ、ここに居てはいけないような気がしてくる。
じゃあ現実としてその場を去ればいいんだろうけど、それも寂しくて出来ないので、しばらくフワフワとした孤独と疎外感を味わう事になる。
しかし孤独とは不思議なもので、確かに寂しいんだけどそこには独特の陶酔感もあり、何か諦めにも似た潔さと開放感もあるので、一概に悪い事とも思っていない。
独りを楽しむという事だってあるはずだし、ましてやどうもそういう性分に生まれついてしまった様ならなおさら。
すると集団の中で感じる孤独も、僕にとっては楽しみの一つという事になる。
寂しいんだけど楽しいという、曖昧で不条理な楽しみ。
素直に一緒に楽しめればいちばんいいのだろうけど、それが出来ない人間の、密かな楽しみ。
そんな捻くれた楽しみを求めて、今日もワイワイするのかもしれない。