2016/10/28

人のハロウィンを笑うな

 意外に思われてしまうのだが、ハロウィンが嫌いである。

 嫌いというか、苦手。

 大体まず自分の中で馴染みがない。
もともとが西洋文化なので馴染みがなくて当たり前なんだけど、例えばクリスマスは幼少の頃から存在していて親しみのあるイベントだから特に苦もなく受け入れられるが、ハロウィンは昔だってあった事はあったんだろうけど近年ほど盛んではなく、「何だか外国にはお化けの格好をしてお菓子をもらいに行く日があるらしい」くらいの薄ボンヤリした存在で、まして街にコスプレをした若者達が溢れたりはしていなかった。

 それが今やクリスマスと並ぶかそれ以上の季節イベントに成り上がり、デカい顔をしてのさばっている。
昔、力士は日本人しか居なかったが、ハワイ出身の力士が増えたなと思っていたらいつの間にやらモンゴルだのブルガリアだの…!という気持ちに似ている。

 もちろん外国人が力士になる事を批判しているワケではない。
今まで自分の常識の中になかったモノが知らぬ間に高速度で潜り込んでいた時の違和感、恐怖。
それにいつまでも慣れないのだ。

 だからコレは年齢的な問題であり、若ければ若いほどハロウィンに対する違和感はなくなって、それこそクリスマスや正月くらいの感覚になるのだろう。
「外国人の握ったものは寿司とは呼べない!」といまだに言っているジジイと一緒で、感覚の齟齬がどうしても埋められずに孤立していく寂しいパターンだ。

 しかしここ数年のハロウィンにおける市場の拡大は目覚ましいものがあり、仮装衣装は然ることながら、パンプキン味のスイーツやら何やらと見渡せば一面オレンジ色の猛威を奮っており、ホラー系の不気味なモチーフが多いのにも関わらず売れまくっている。

 量が多ければ質が低下していくのは何でも同じで、安っぽい衣装で街を練り歩く人々を観るとどうしてもイライラしてしまう。
なぜならコチラは年中それなりのクオリティで盛装しているからだ。
それがただハロウィンだというだけでその時だけチャラチャラと仮装してギャーギャーと騒いで満足している輩と一緒にされたらたまったもんではない。テリトリーを侵されている気分。

 サッカー観戦で浮かれる人達も同じで、本当にサッカーが好きで騒いでるならまだしも、そうでなくただ騒ぎたいだけっていうアレが嫌い。
お祭り自体は好きでも、お祭り騒ぎをする人々が苦手なのである。

 とはいえ、そういった人々は普段は僕なんかの数百倍も真面目で、仮装どころかスーツなんかキッチリ着てバリバリ働いて日本の経済を回しているのだろう。
そんな彼らがたまに羽目を外すくらい、いいじゃないか…と、生ぬるい目線で見るようにはしているものの、まるで街全体がドンキになったかのような状況にやっぱりイライラしてしまう自分の心の狭さよ。(ドンキは好きなのに。)

 それらの個人的理由に加えて更に「カボチャってなんか田舎臭くて垢抜けなくな~い?」というのがあって、ただそれだけのアンチ・ハロウィン派なのだが、困った事に普段派手な格好をしていると当然ハロウィン期は方々に呼び出され活動させられるので迎合せざるを得ない。国家権力に屈するとはこういう事なのか。

 しかしやはりこう思う。

 日本人なら、10月は運動会だろ!!!